給食費無償化2026年度、大阪・泉州12市町の小学校・中学校はどうなった?
執筆:汐谷 那々子
2026年4月から、国が公立小学校の給食費の負担軽減を始めました。大阪府泉州地域(大阪・泉州)の12市町でも、この国の支援を受けて小学校の給食費の扱いが変わり、中学校まで含めて無償にした市町と、中学校は補助にとどめた市町に分かれています。この記事は2026年10月22日時点の各市町の公式情報をもとにしています。
国の制度の概要
文部科学省は「学校給食費の抜本的な負担軽減」として、2026年(令和8年)4月から公立小学校の給食費を支援しています。対象は公立小学校(義務教育学校前期課程・特別支援学校小学部を含む)で、中学校は対象に含まれていません。
- 支援の基準額(児童1人・1か月あたり):小学校・義務教育学校前期課程の完全給食で5,200円、特別支援学校小学部の完全給食で6,200円
- 支援の期間:年間11か月分
- 基準額を超える食材費は、保護者から徴収する場合があります
- 保護者の手続は不要です。無償になるかどうかは自治体によって異なります
国の交付金は都道府県を通じて市町村に交付される仕組みで、中学校の給食費に充てることはできないとされています。そのため、中学校の給食費をどうするかは各市町の判断になります。
出典:文部科学省「学校給食費の抜本的な負担軽減」、文部科学省「『学校給食費の抜本的な負担軽減』に関するQ&A」
泉州12市町の学校給食費一覧(2026年度)
市町 | 小学校・中学校の給食費の負担 | 補足 |
|---|---|---|
高石市 | 小・中とも無償 | 小学校は国の交付金と市の補助、中学校は市の無償化を継続 |
泉大津市 | 小は負担なし/中は年額50,700〜56,100円 | 小学校は2026年5月から引き落としなし |
忠岡町 | 小は無償/中は町が全部または一部を負担 | 中学校・私立小中学校等にも臨時交付金を活用 |
和泉市 | 小は無償/中は値上げ分を補助 | 小学校は国・府の支援に市が上乗せ |
岸和田市 | 小・中とも無償(2026年度) | 2027年度以降は未定 |
貝塚市 | 小・中とも無償 | 国の制度に市の補助を加えて実施 |
熊取町 | 小・中とも無償(2026年度) | 町立小中学校が対象 |
泉佐野市 | 小・中とも無償(継続) | 物価高騰対策として続けてきた無償化を継続 |
田尻町 | 小・中とも無償 | 2019年度から実施 |
泉南市 | 小は無償/中は無償化の記載なし | 小中とも献立充実のための市の補助あり |
阪南市 | 小は全額補助/中は1食70円を補助 | 2026年4月分から2027年3月分まで |
岬町 | 小・中とも無償(継続) | 町外の小中学校に通う場合も給食費相当額を補助 |
2026年10月22日時点で各市町の公式ページ・施政方針・予算資料・広報誌で確認した内容です。
市町で違う点
中学校の給食費
国の支援は小学校だけが対象のため、中学校の扱いに違いがあります。
- 中学校も無償:高石市、岸和田市、貝塚市、熊取町、泉佐野市、田尻町、岬町の7市町
- 中学校は保護者負担あり:泉大津市は、中学校の給食費を学校・学年ごとに年額50,700〜56,100円で徴収しています(5月から翌年2月まで年10回の口座振替)
- 中学校は一部を補助:和泉市は物価高騰などによる値上げ分を、阪南市は1食70円を補助しています。忠岡町は国の臨時交付金を使って給食費の全部または一部を負担するとしています
- 中学校の無償化の記載なし:泉南市は小学校の無償化を掲げ、中学校は献立充実のための補助を行うとしています
小学校の財源と上乗せ
国の基準額(月5,200円)で給食費のすべてをまかなえるとは限らないため、多くの市町が差額を独自に負担しています。
- 泉大津市・和泉市・高石市・貝塚市は、国・府の交付金に市の負担や補助を加えて小学校の保護者負担をなくしています
- 岸和田市は、小学校に給食費負担軽減交付金とふるさと寄附金を、中学校に国の重点支援地方交付金を充てています。児童・生徒1人あたり58,000〜69,000円程度の支払いが不要になるとしています
- 阪南市は、小学校は国費との差額を市が補助します
以前から無償の市町
- 田尻町は2019年度から町立小・中学校の給食費を無償にしています
- 泉佐野市は物価高騰対策として続けてきた小中学校給食の無償化を2026年度も継続し、オーガニック給食も提供します
- 岬町も2026年度に町立小・中学校の無償化を続け、町外の小中学校等に通う児童・生徒にも給食費相当額を補助しています
期間
- 岸和田市は2026年度分の無償化とし、2027年度以降は調整中としています
- 阪南市の補助は2026年4月分から2027年3月分までです
手続き・受けるときの注意
- 国の負担軽減について、保護者の手続は不要です(文部科学省の案内)
- 泉大津市は、小学校の給食費の引き落としを2026年5月分からなくしています。中学校は引き続き口座振替で納める必要があります
- 岸和田市は、無償化の期間中も給食の停止・再開の届出が必要です。食物アレルギーなどで給食を食べずに弁当を持参する家庭への補助金制度も設けています
- 岬町で町外の小中学校等に通う場合は、町の教育委員会に申請して補助を受ける仕組みです
- 生活保護や就学援助を受けている世帯は、それぞれの制度で給食費を扱う場合があります
- 私立学校や特別支援学校に通う場合、年度途中に転入・転出する場合は、住んでいる市町の教育委員会に確認してください
各市町の公式ページ
- 高石市「令和8年度施政方針(全文)」
- 泉大津市「令和8年度学校給食費について」
- 忠岡町「令和8年度施政方針」
- 和泉市「令和8年度当初予算の概要」
- 岸和田市「学校給食費のお知らせ」
- 貝塚市「広報かいづか 2026年4月号(4ページ)」
- 熊取町「ほほえみ子育て熊取町!-転入定住促進-」
- 泉佐野市「令和8年度当初予算案について」
- 田尻町「広報たじり 2026年5月号」
- 泉南市「市政運営方針」
- 阪南市「阪南市における物価高騰対策事業の実施について」
- 岬町「令和8年度町政運営方針要旨」
泉州12市町の給食費を、制度の詳細とあわせて表で確認できます。泉州12市町の学校給食費の比較表