肺炎球菌ワクチン 65歳の自己負担と免除|2026年度 大阪・泉州12市町
執筆:汐谷 那々子
2026年度(令和8年度)から、高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種で使うワクチンは、23価ワクチンから沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20)に変わりました。大阪府泉州地域(大阪・泉州)の12市町で、65歳の人などが医療機関で払う自己負担額は、泉大津市が7,920円、ほかの11市町が6,000円です。住民税非課税世帯の免除は8市町のページに書かれていて、8市町とも接種前の手続きを案内しています。この記事は2026年10月22日時点の各市町の公式情報をもとにしています。
2026年度から変わったこと(国の制度)
- 使うワクチン:定期接種では、沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20)を1回、筋肉内に接種します。2026年4月から、それまでの23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)に代わりました(厚生労働省「高齢者の肺炎球菌ワクチン」)
- 対象者:65歳の人と、60〜64歳で、心臓・腎臓・呼吸器の機能に障害があり身の回りの生活が極度に制限される人、またはHIVによる免疫の機能に障害があり日常生活がほとんど不可能な人です。ワクチンが変わっても、対象者は変わっていません
- ほかのワクチン:2026年4月以降の定期接種で使えるのはPCV20だけで、PPSV23や15価・21価の結合型ワクチンは定期接種としては使えません
- 変わった理由:厚生労働省は、含まれる血清型についてPCVのほうが高い有効性が期待できること、安全性に特段の懸念がないことなどの知見をもとに、審議会の議論を経て変更したと説明しています
- 効果:厚生労働省は、PCV20に、血清型によらず侵襲性肺炎球菌感染症全体の3〜4割程度を予防する効果があるという研究結果があると説明しています
- 長期療養特例:対象の年齢の間に長く療養が必要な病気にかかり、定期接種を受けられなかったと認められた人は、特例として定期接種を受けられます(接種できるようになった日から1年以内)
定期接種で受けられるのは1回です(厚生労働省)。市町のページでは、泉大津市が助成を「生涯1回限り」、忠岡町が費用助成を「1人につき一生涯に1回限り」とし、泉南市は回数を「1人1回限り」、岬町は「一人1回」と書いています。
大阪・泉州12市町の自己負担額と免除の一覧
2026年度(令和8年度)に、定期接種の対象の人が医療機関で払う自己負担額と、各市町の肺炎球菌のページに書かれている費用の免除の対象です。2026年10月22日に各市町の公式ページで確認しました。2027年度以降の額は、各市町の発表を確認してください。
市町 | 自己負担額 | 自己負担の免除(公式ページの記載) |
|---|---|---|
高石市 | 6,000円 | 生活保護 |
泉大津市 | 7,920円 | 生活保護 |
忠岡町 | 6,000円 | 生活保護 |
和泉市 | 6,000円 | 生活保護・市府民税非課税世帯 |
岸和田市 | 6,000円 | 生活保護・市民税非課税世帯・身体障害者手帳1・2級など |
貝塚市 | 6,000円 | 生活保護・市民税非課税世帯 |
熊取町 | 6,000円 | 生活保護・住民税非課税世帯 |
泉佐野市 | 6,000円 | 生活保護・市民税非課税世帯 |
田尻町 | 6,000円 | 生活保護・住民税非課税世帯 |
泉南市 | 6,000円 | 生活保護・住民税非課税世帯 |
阪南市 | 6,000円 | ページに記載なし |
岬町 | 6,000円 | 生活保護・住民税非課税世帯 |
「免除」は自己負担が無料になることを指します(各市町のページでは「無料」「免除」と書かれています)。
市町で違う点
- 自己負担額:泉大津市は7,920円、高石市・忠岡町・和泉市・岸和田市・貝塚市・熊取町・泉佐野市・田尻町・泉南市・阪南市・岬町は6,000円です
- 改定前の額:改定前の額をページに載せているのは、高石市(3,000円から6,000円へ)と岸和田市(2026年3月31日までの接種分は2,000円)です。泉大津市・和泉市・泉佐野市・岬町は、ワクチンの変更に伴って自己負担額が変わったと書いています
- 住民税非課税世帯の免除:肺炎球菌のページで非課税世帯の免除を確認できたのは、和泉市・岸和田市・貝塚市・熊取町・泉佐野市・田尻町・泉南市・岬町の8市町です。高石市・泉大津市・忠岡町の肺炎球菌のページは、免除の対象として生活保護のみを記載しています。阪南市の肺炎球菌のページには、免除の記載がありません
- そのほかの免除:岸和田市は、身体障害者手帳1・2級を持つ人と、中国残留邦人等支援法による支援給付を受けている人も無料としています
- 過去に接種した人の扱い:自費の接種も含めて接種歴があると対象外と明記しているのは、岸和田市・貝塚市・泉佐野市・阪南市です。熊取町・岬町は、接種したことがある人は対象外と書いています。和泉市は、過去に高齢者の定期の肺炎球菌予防接種を受けていない人を対象とし、田尻町は、定期接種を受けたことのある人は対象外、任意接種などを受けたことのある人は医師に相談としています。泉南市は、過去に接種した人は対象外としつつ、医師が必要と判断した場合は対象となりうると書いています。忠岡町は、23価または20価のワクチンを接種し、予防接種の必要がないと認められる人を対象から除くとしています。高石市・泉大津市のページには、接種歴の扱いの記載がありません
- 接種できる医療機関:熊取町・泉佐野市・岬町のページには、泉佐野市・熊取町・田尻町・泉南市・阪南市・岬町の指定(協力)医療機関で接種できると書かれています。忠岡町は、町内の医療機関または泉大津市医師会所属の医療機関です
接種するときの注意
- 対象の期間:65歳の人が定期接種を受けられるのは、65歳の1年間です。高石市・忠岡町・岸和田市・貝塚市・熊取町・泉佐野市・田尻町・泉南市・阪南市は「65歳の誕生日の前日から66歳の誕生日の前日まで」、泉大津市は「65歳の誕生日から66歳の誕生日の前日まで」、和泉市は「65歳の間の1年間」と書いています。高石市・岬町のページにある2026年4月1日〜2027年3月31日は、市町が2026年度に定期接種を行う期間です。岸和田市は「接種の機会を逸することがないよう」注意を呼びかけています(2026年10月22日確認)
- 免除の手続き(住民税非課税世帯):和泉市(無料券)、岸和田市(無料証明書)、貝塚市(健康推進課への申請)、熊取町(接種前日までに免除の申請)、泉佐野市(自己負担金免除券)、田尻町(事前の申請)、泉南市(免除証明書)、岬町(徴収免除証明書)とも、接種前に手続きをするよう案内しています。岸和田市では、介護保険負担限度額認定証を持つ人は、無料証明書の代わりに認定証を医療機関で示します
- 免除の手続き(生活保護):高石市・泉大津市・和泉市・岸和田市・泉佐野市・泉南市は、受給証明書や医療券などを医療機関に出します。熊取町・岬町は、休日・夜間診療依頼証などを医療機関で示します。忠岡町は接種前に役場の保健センターで申請が必要で、接種後に申請しても返還されません。貝塚市・田尻町は接種前の申請が必要です
- 案内のはがき:高石市は65歳の誕生月、泉大津市は65歳の誕生月の翌月、忠岡町は65歳を迎える誕生日の月末に、案内や接種券を郵送すると書いています。和泉市は65歳の誕生日の前後にはがきを送ります
- 前に届いたはがき:和泉市は、令和7年度(2025年度)に発行した対象者証明書(はがき)で2026年度に接種する場合も6,000円と書いています。泉南市は、すでに案内はがきを持っていて未接種の人は、そのはがきを使えるものの、20価のワクチンと現在の接種費用になると書いています(2026年10月22日確認)
- 指定医療機関以外での接種:入院・施設入所などで市町の指定医療機関で接種できない場合、高石市・泉大津市・岸和田市・泉佐野市・岬町は接種前の手続きを案内しています。手続きをしないで接種すると、全額自己負担になる市町があります(高石市・泉大津市・泉佐野市のページに記載)
各市町の公式ページ
- 高石市「高齢者用肺炎球菌感染症」
- 泉大津市「高齢者用肺炎球菌感染症予防接種」
- 忠岡町「高齢者の肺炎球菌ワクチン接種について」
- 和泉市「和泉市高齢者(定期)肺炎球菌ワクチン予防接種について」
- 岸和田市「高齢者用肺炎球菌ワクチン予防接種お知らせ」
- 貝塚市「高齢者肺炎球菌ワクチンの定期予防接種について」
- 熊取町「高齢者肺炎球菌の定期接種」
- 泉佐野市「令和8年度 高齢者肺炎球菌予防接種(定期予防接種)について」
- 田尻町「大人の予防接種」
- 泉南市「高齢者肺炎球菌感染症定期予防接種」
- 阪南市「高齢者肺炎球菌感染症予防接種について」
- 岬町「高齢者肺炎球菌ワクチン予防接種のお知らせ」
- 泉南市「高齢者定期予防接種費用の免除について」
- 厚生労働省「高齢者の肺炎球菌ワクチン」
12市町の自己負担額と免除は、大阪・泉州12市町の高齢者の肺炎球菌ワクチン定期接種の比較表でも並べて確認できます。高齢者のインフルエンザ(比較表)、新型コロナ(比較表)、帯状疱疹(比較表)の定期接種も、大阪・泉州12市町で比べています。