肺がん検診は無料?何歳から?喀痰検査は廃止?2026年度 大阪・泉州12市町

公開日:医療・健康

執筆:汐谷 那々子

大阪府泉州地域(大阪・泉州)12市町の令和8年度(2026年度)の肺がん検診(胸部X線検査)は、12市町とも40歳以上が対象です。自己負担は忠岡町・岸和田市・貝塚市・熊取町・泉佐野市・田尻町・泉南市・阪南市・岬町の9市町が無料、高石市・泉大津市が500円です。和泉市は、検診車の集団検診と、医療機関で市追加検査(特定健診、負担金500円)と同時に受ける場合が無料、医療機関で肺がん検診だけを受ける場合が1,000円です。国の指針では2026年4月1日に肺がん検診の検診項目から喀痰細胞診が外れ、岸和田市・貝塚市・阪南市は令和8年度から喀痰検査を行わないと案内しています。ほかの9市町は、確認したページに喀痰検査の記載がありません。2026年10月28日時点の各市町の公式ページで確認しました。

肺がん検診の対象と検査(国の考え方)

  • 対象年齢:厚生労働省の指針は、肺がん検診の対象を40歳以上とし、受診を特に推奨する年齢を40歳以上69歳以下としています(厚生労働省「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」(PDF))
  • 受診間隔:原則として同じ人について年1回です。前年度に受けなかった人には、積極的に受診を勧めるとしています
  • 検査:質問(問診)と胸部エックス線検査です。65歳以上の胸部エックス線検査は、感染症法に基づく結核の定期の健康診断などで撮影した写真を使って読影するとしています
  • 喀痰細胞診が外れた改正:指針は2025年12月24日に一部改正され、2026年4月1日から適用されています。肺がん検診の検診項目は「質問、胸部エックス線検査及び喀痰細胞診」から「質問、胸部エックス線検査」に改められ、喀痰細胞診(原則として50歳以上で喫煙指数(1日の本数×年数)600以上の人が対象)の規定が削除されました(厚生労働省「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針の一部改正について」(PDF)、新旧対照表(PDF))
  • 国の検討会の資料:厚生労働省の「がん検診のあり方に関する検討会」の資料(2025年10月10日)は、国立がん研究センターの「有効性評価に基づく肺がん検診ガイドライン」2025年度版が、重喫煙者に対する胸部X線検査と喀痰細胞診の併用法を「実施しないことを推奨」としたと紹介しています(厚生労働省「肺がん検診について」(PDF))
  • 市町村の検診:市区町村は健康増進法に基づいてがん検診を行い、ほとんどの市区町村が費用の多くを公費で負担し、一部の自己負担で受けられるとしています。職場や健康保険組合でがん検診を受けられる場合もあります。がんや前がん病変で治療中の人は、そのがん検診の対象になりません(厚生労働省「がん検診」)
  • 最新の改正:指針は2026年10月7日にも一部改正され、2027年4月1日から適用されます。改正の新旧対照表の改正箇所に、肺がん検診の記述はありません(新旧対照表(PDF))
  • 10月の取り組み:厚生労働省は、毎年10月を「がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン月間」としています(厚生労働省「がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン」)

2026年10月28日に、厚生労働省と各市町の公式ページで確認しました。

大阪・泉州12市町の肺がん検診の対象年齢と自己負担の一覧

各市町の肺がん検診(結核・肺がん検診を含む)の案内に書かれている、対象年齢・自己負担額・受け方です。2026年10月28日に各市町の公式ページで確認しました。

市町

対象年齢

自己負担額

受け方

喀痰検査の記載・補足(2026年10月28日時点)

高石市

40歳以上(年度末年齢)

500円

集団(検診バス)。健幸増進課で手続きをすると大阪がん循環器病予防センターでも受けられる

喀痰検査の記載なし。費用の免除の記載なし。年齢の上限なし

泉大津市

40歳以上(昭和62年3月31日以前生まれ)

500円

集団(保健センター)・個別(大阪がん循環器病予防センター、受診券が必要)

喀痰検査の記載なし。生活保護受給者は免除。65歳以上は結核検診を含む

忠岡町

40歳以上(昭和62年3月31日以前生まれ)

無料

集団(保健センター)・個別(医療機関、2027年3月31日まで)

喀痰検査の記載なし

和泉市

40歳以上(昭和62年3月31日以前生まれ)

検診車の集団は無料。医療機関は単独1,000円、市追加検査(特定健診、負担金500円)と同時は無料

集団(検診車、各日60人程度)・個別(市内の実施医療機関)

喀痰検査・費用の免除の記載なし。結核健診を含む

岸和田市

40歳以上(受診日現在)

無料

集団(保健センターなど)・個別(医療機関、5月〜3月)

令和8年度から喀痰細胞診検査を行わず、胸部エックス線検査のみ。65歳以上は結核健診を含む

貝塚市

40歳以上

無料

集団(保健センター、予約制)・個別(市立貝塚病院、事前予約)

令和8年度から喀痰検査を廃止

熊取町

40歳以上(検診当日)

無料

集団(熊取ふれあいセンターのバス検診)・個別(大阪がん循環器病予防センター)

喀痰検査の記載なし。1年度に1回

泉佐野市

40歳以上

無料

集団・個別(大阪がん循環器病予防センター、健康推進課で事前に手続き)

喀痰検査の記載なし

田尻町

40歳以上(年度末年齢。結核は20歳以上)

無料

集団(たじりふれ愛センター)・個別(大阪がん循環器病予防センターの5がんセット検診、受診券が必要)

喀痰検査の記載なし。5がんセット検診の費用は女性2,100円・男性600円

泉南市

40歳以上

無料

集団(保健センター)・個別(大阪がん循環器病予防センター、事前に保健センターへ申込み)

喀痰検査の記載なし。1年度に1回。65歳以上は結核健診を兼ねる

阪南市

40歳以上(受診当日)

無料

集団(保健センター、予約制)・個別(大阪がん循環器病予防センター)

令和8年度から喀痰細胞診検査を廃止

岬町

40歳以上

無料(2026年4月1日から町の検(健)診はすべて無料)

確認したページに肺がん検診の受け方の記載なし(町の健診は集団か個別のいずれかで年度に1回)

喀痰検査・検査内容の記載なし。65歳以上は結核検診を含む

年齢の括弧書きは、各市町のページの数え方です(年度末年齢:高石市・田尻町、受診日・検診当日:岸和田市・熊取町・阪南市、生年月日:泉大津市・忠岡町・和泉市)。括弧書きのない市町は、確認したページに基準日の記載がありません。「喀痰検査の記載なし」は、確認したページ・資料に喀痰細胞診の記載がないという意味で、実施の有無を示すものではありません。

市町で違う点

自己負担額

  • 無料:忠岡町・岸和田市・貝塚市・熊取町・泉佐野市・田尻町・泉南市・阪南市・岬町です。岬町は、2026年4月1日から町の検(健)診の費用をすべて無料にしています
  • 500円:高石市・泉大津市です
  • 受け方で違う:和泉市は、検診車で受ける結核・肺がん検診(胸部X線のみ)が無料です。市内の実施医療機関では、肺がん検診だけなら1,000円、市追加検査(特定健診)と同時なら無料です(市追加検査には500円の負担金があります)
  • 田尻町は、大阪がん循環器病予防センターでの個別検診を5がんセット検診の形で案内しています。セットの費用は女性2,100円・男性600円で、肺がん検診だけを受けることもできるとしています

喀痰検査(喀痰細胞診)の扱い

  • 岸和田市は、令和7年度まで50歳以上で喫煙指数600以上の人に喀痰細胞診検査を行っていましたが、国の指針に基づき令和8年度から行わず、胸部エックス線検査のみにしたと案内しています
  • 貝塚市は、国の指針に基づき令和8年度から喀痰検査を廃止すると案内しています
  • 阪南市は、喀痰細胞診検査は令和8年度から廃止されたと案内しています
  • ほかの9市町(高石市・泉大津市・忠岡町・和泉市・熊取町・泉佐野市・田尻町・泉南市・岬町)は、確認したページ・資料に喀痰細胞診の記載がありません

受ける場所

  • 集団検診と大阪がん循環器病予防センター:泉大津市・熊取町・泉佐野市・田尻町・泉南市・阪南市です。高石市は検診バスの集団検診で、健幸増進課で手続きをすると大阪がん循環器病予防センターでも受けられます
  • 集団検診と医療機関:忠岡町・和泉市・岸和田市・貝塚市です。貝塚市の医療機関での肺がん検診は市立貝塚病院(事前予約)で、ほかの医療機関の個別検診は結核健診としています
  • 岬町は、確認したページに肺がん検診の受け方の記載がありません。町の健診は、集団か個別のいずれかで年度に1回受けられるとしています

費用の免除

  • 自己負担がある3市のうち、泉大津市は生活保護受給者の自己負担を免除しています(検診当日に生活保護受給証明書を持参)
  • 高石市・和泉市は、確認したページ・資料に免除の記載がありません
  • ほかの9市町の肺がん検診は無料です。田尻町・阪南市は、健診・がん検診の費用の免除の手続きもページで案内しています

結核の健診との関係

  • 結核・肺がん検診として案内:高石市・和泉市・熊取町・泉佐野市・田尻町です。田尻町は結核の対象を20歳以上、肺がんの対象を40歳以上としています
  • 65歳以上は結核の健診を含む・兼ねると案内:泉大津市・岸和田市・泉南市・岬町です
  • 肺がん検診・結核健診として案内:貝塚市です。結核健診か肺がん検診・結核健診のどちらか一方を受けられるとしています

受ける前の注意

  • 症状がある場合:泉大津市・貝塚市・熊取町・泉佐野市は、自覚症状がある人には、検診ではなく医療機関の受診を案内しています。高石市は、痛みなどの自覚症状がある人や、受ける検診の部位を治療中・経過観察中の人に、医療機関の受診を案内しています。岬町は、気になる症状がある場合は検診を受けられないとしています
  • 対象にならない人の例:岸和田市は現在治療中の人と勤務先で受けられる人、貝塚市は勤め先などで受ける機会のある人と、医療機関で肺疾患の治療中・経過観察中の人を対象外としています。泉大津市は、職場などで検診を受ける機会のない人を対象としています
  • 妊娠中:貝塚市・熊取町・泉佐野市は、妊娠中(貝塚市・熊取町は妊娠の可能性がある人も)は受けられないとしています
  • インスリンポンプ・持続グルコース測定器:岸和田市・貝塚市・熊取町は、装着したままエックス線検査を受けられないと案内しています
  • 大阪がん循環器病予防センターで受ける場合:高石市(健幸増進課で手続き)・泉大津市(受診券が必要)・熊取町(健康手帳が必要、健康・いきいき高齢課へ問い合わせ)・泉佐野市(健康推進課で手続き)・田尻町(受診券が必要)・泉南市(保健センターへ事前に申込み)は、事前の手続き・申込み・問い合わせの方法を案内しています。阪南市は、医療機関で受けるときに本人確認書類と健康手帳を持参するよう案内しています
  • 全額自己負担になる場合:忠岡町・貝塚市は同じ年度の2回目以降を全額自己負担としています。高石市は、対象外の人や適切な間隔をあけずに受けた場合に全額自己負担になることがあるとしています

今後の集団検診(2026年10月28日時点)

2026年10月28日時点で、各市町のページ・資料に載っている肺がん検診の今後の集団検診の日程です。

  • 高石市:11月12日、12月15日、2027年1月24日・29日、2月15日、3月4日。12月〜3月分のインターネット予約は11月3日17時まで(3月4日分はインターネット予約ができず、11月5日から電話で受付)、電話予約は11月5日9時から
  • 泉大津市:11月21日、12月7日、12月13日、2027年1月25日、2月19日、3月14日、3月29日。12月7日と3月14日は1日ですべてのがん検診を受けられる日です。12月7日は、市の資料の曜日の表記(日曜日)と2026年の暦(月曜日)が合わないため、受ける前に保健センターで確かめてください
  • 和泉市:2027年1月・2月実施分の申込みは、2026年12月8日から定員に達するまで保健センターへ電話
  • 岸和田市:集団検診は、電話(072-423-8811)か健康推進課の窓口で空き日程を予約
  • 貝塚市:11月4日(山手地区公民館)・15日、12月1日・16日、2027年1月25日、2月14日・22日、3月8日
  • 熊取町:2027年1月14日、2月8日・9日・10日
  • 泉南市:10月29日、12月3日、2027年2月9日(定員になり次第締切)
  • 阪南市:男性12月16日(午前・午後)・2027年2月16日午前、女性2027年2月16日午後
  • 岬町:日程は毎年4月に配布する「健康づくり日程表」で案内

確認したページに今後の日程の記載がない市町もあります。対象年齢・自己負担・日程は変わることがあります。受ける前に、お住まいの市町の担当課で確かめてください。

各市町の公式ページ

12市町の比較表

大阪・泉州12市町の肺がん検診の対象年齢・自己負担額と、市町ごとの出典・確認日は、肺がん検診(胸部X線)の自己負担と対象年齢(令和8年度)の比較表で見られます。ほかのがん検診は、胃がん検診・大腸がん検診・乳がん検診・子宮頸がん検診の比較表で大阪・泉州12市町を比べています。

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